畳の表、国産品と輸入品との違い

畳表(茣蓙[ござ])は国産品と輸入品(主に中国産イグサ)とで、価格が大きく異なる。

和紙畳と天然物のイグサとを比べると、温かみや触り心地を考えると圧倒的にイグサが勝る。

国産品と輸入品を比べると、まず、安価であるという事を重視した目的で輸入されているのでそもそもが雑。

勿論、国産品に於いても普及品から特選までのランクがあるので何が違うのかって事になるけど、まず、畳を表替えして縁(ヘリ)の際に色の違いが見られる事がある。

イグサはイ草であり、植物であるので成長した時の長さは違う。

それを選別して畳として利用するので、長いイグサであればあるほど末端部分の不揃い感は選り分けられる事が可能で、内側を多く製品として利用出来る。

粗めのイグサを薄めに作ると当然安くなり、且つ、色のバラつきは着色を施して誤魔化すのですでに天然素材感は失われている。

単に安さだけを求めて安価な表を利用すると、表どころか畳床の傷みまで早めてしまうので、個人的に使用するのであれば、和紙畳にすべき。

もしくは賃貸ならいい。ただ出入りが激しい場合は、賃貸でも和紙畳にすべき。

最近の和紙畳は樹脂でコーティングされているのでメンテナンスが容易で耐久性は高いが、硬い。

固いけれども安物の畳を使うよりは断然いいし、寿命も倍は稼げるのでコスパもいい。

にしても、マンションで藁の床を使う。またはスタイロ藁サンドの床を使うなんてのはナンセンスも甚だしい。

畳床はたまに風を通してナンボ。

マンションみたいな下地コンクリートでしかも干さないのに藁床使っているなんて、ダニやカビの住まいを作っているだけ。

有り得ない考えられない。

いや、たまに干すならいい。が、干さない干せないどうしようもないならマンションの畳はスタイロ畳にすべき。それしかない。

イグサの表を十分に堪能するのであれば、国産且つ着色されていないものを指定するしかない。

イグサ自体を選り分けなければ、バラつきがあると着色をして誤魔化すしかない。

そして安価な表のイグサの本数は3000本そこらだが、高価なものなら8000本そこそこ。

厚みが変わるので、心地も異なる。バラつきも無く目が細かく色も均等。

輸入品であってもイグサを選り分け表を作ればいいものが出来るはずだが、そもそも安価である事が目的で仕入れられるので、そこが違う。

賃貸住宅を退去する時に気を付けないとならない事

賃貸住宅を退去する際に賃借人(入居者・借主)と賃貸人(貸主)との間に起こるのが、原状回復をめぐるトラブル。

原状回復とは、入居時点の状態に戻す事を言うが、民法に基づくもの。

第六百二十一条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。 (使用貸借の規定の準用)

入居時点に関するものは、賃借人、賃貸人双方が、契約前に写真など当時の物件の状況が確認出来るものを残しておく事が重要。

入居前にしっかり写真に残し、退去時に提示出来るようにしておく事が、トラブルを避けるひとつの手段。

どこまでの物事が借主の責任になるかと言うと経年変化を除く借主が明確に損傷させた事であれば借主が現状に戻さねばならないものと考えられる。

第五百九十九条 

3 借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

ここでも借主の責めに帰することができない事由とあり、通常の使用によって損耗、経年変化(経年劣化)したものは、借主が負担するものではないと考えられる。

結局のところ、退去する時に気を付けるのではなく、入居前からしっかり気をつけておく。

借りたものは借りた時点の状態で返さないとならないという、貸主の立場になった場合、当たり前の事を借りる前から借りるのだから理解する事。

クロスの日焼けや機械器具、設備などの経年劣化に関しては借主が負担する事は有り得ないが、暴れて壁に穴を開けたり想定外の使用状況によるものは当然借主負担に、故意や不注意によるものでも借主が原状に戻さないとならない。

ただし、機械器具、設備の経年劣化に関しても、管理会社に連絡をせず放置し状況が悪化した場合は、借主負担になる場合もある。

設備の使用条件や、日ごろの掃除などのメンテナンスは当然、借主が行うものと貸す側は考えるもの。

何らか問題が発生したら都度、管理会社に連絡をするなどして履歴を残す事。

その上で、退去時にはその旨を伝え、また残し、万が一、通常に使用による損傷や、故意や不注意によらない経年劣化による損傷などにまで責任を取らされる事の無いように、しっかり確認をしないとならない。