国土交通省では、賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、賃貸住宅の契約書の雛形が作成されています。
定期的に更新されるので、有用に活用する事が可能だと思います。
内容的には、まずこの文面
第7条 甲及び乙は、それぞれ相手方に対し、次の各号の事項を確約する。 一 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋若しくはこれらに準ずる者又はその構成員(以 下総称して「反社会的勢力」という。)ではないこと。 二 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。)が反 社会的勢力ではないこと。 三 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、この契約を締結するものでないこと。 四 自ら又は第三者を利用して、次の行為をしないこと。 ア 相手方に対する脅迫的な言動又は暴力を用いる行為 イ 偽計又は威力を用いて相手方の業務を妨害し、又は信用を毀損する行為 2 乙は、甲の承諾の有無にかかわらず、本物件の全部又は一部につき、反社会的勢力に賃借 権を譲渡し、又は転貸してはならない。
この文面は、今の時代には必要ですよね。
(禁止又は制限される行為) 第8条 乙は、甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の全部又は一部につき、賃借権を 譲渡し、又は転貸してはならない。 2 乙は、甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の増築、改築、移転、改造若しくは模 様替又は本物件の敷地内における工作物の設置を行ってはならない。
又貸しや勝手な改造の禁止事項も明示されています。
第9条 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合の 修繕に要する費用については、乙の責めに帰すべき事由により必要となったものは乙が負担 し、その他のものは甲が負担するものとする。 2 前項の規定に基づき甲が修繕を行う場合は、甲は、あらかじめ、その旨を乙に通知しなけ ればならない。この場合において、乙は、正当な理由がある場合を除き、当該修繕の実施を 拒否することができない。 3 乙は、本物件内に修繕を要する箇所を発見したときは、甲にその旨を通知し修繕の必要に ついて協議するものとする。 4 前項の規定による通知が行われた場合において、修繕の必要が認められるにもかかわらず、 甲が正当な理由なく修繕を実施しないときは、乙は自ら修繕を行うことができる。この場合 の修繕に要する費用については、第1項に準ずるものとする。 5 乙は、別表第4に掲げる修繕について、第1項に基づき甲に修繕を請求するほか、自ら行 うことができる。乙が自ら修繕を行う場合においては、修繕に要する費用は乙が負担するも のとし、甲への通知及び甲の承諾を要しない。
修繕に関する事項の明示。大事ですよね。
第 10 条 甲は、乙が次に掲げる義務に違反した場合において、甲が相当の期間を定めて当該義 務の履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されないときは、本契約 を解除することができる。 一 第4条第1項に規定する賃料支払義務 二 第5条第2項に規定する共益費支払義務 三 前条第1項後段に規定する乙の費用負担義務 2 甲は、乙が次に掲げる義務に違反した場合において、甲が相当の期間を定めて当該義務の 履行を催告したにもかかわらず、その期間内に当該義務が履行されずに当該義務違反により 本契約を継続することが困難であると認められるに至ったときは、本契約を解除することが できる。 一 第3条に規定する本物件の使用目的遵守義務 二 第8条各項に規定する義務(同条第3項に規定する義務のうち、別表第1第六号から第 八号に掲げる行為に係るものを除く。) 三 その他本契約書に規定する乙の義務 3 甲又は乙の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告 も要せずして、本契約を解除することができる。 一 第7条第1項各号の確約に反する事実が判明した場合 二 契約締結後に自ら又は役員が反社会的勢力に該当した場合 4 甲は、乙が第7条第2項に規定する義務に違反した場合又は別表第1第六号から第八号に 掲げる行為を行った場合には、何らの催告も要せずして、本契約を解除することができる。
契約の解除についても、しっかり明示されています。
退去後の原状回復に関しても、かなり細かく明示されています。
ただし、畳や襖が無いのにそのままこの雛形を使用するのは、貸主としては雑な気がします。
内容をしっかり見た上で、書き換えるべき内容は書き換える。
知らずにそのまま利用している又は、内容を理解していないと、充分な説明が出来ていない事になり、トラブルが有った際には、説明義務が果たされていないと思われます。