改正民法622条の2 敷金

【改正民法622条の2】
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。


一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。


二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。


2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。

例えば家賃の滞納が発生した際、敷金を充当する事が可能で、これは入居者側から充当してくれとは言えません。

通常の使用や経年劣化ではない、使用上の故意による原状回復に充当する事も可能性としてあります。

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通常損耗や経年変化

新たに、賃貸物件を借りる際、退去時には原状回復義務が生じる事を理解しておきましょう。

設備の機械的な劣化。物件に備え付けられている設備、換気扇、給湯器、コンロ、照明器具、エアコンなど、故障するものは多々あります。

残置物として、そのまま置いておくので使えるようなら使って下さい的な物品は、修理の場合、入居者(賃借人)負担になる事もあります。

契約時に確認し、壊れそうであれば事前に撤去してもらい、新たに入居者が購入し使用しているものは退去時に入居者が撤去する事になります。

備え付けられている設備で、家賃に含まれているものは明確にし、家賃に含まれているのであれば故障の際には家主や管理会社に通知し、直ちに改善してもらいましょう。

床材や壁在に関して、床材とはフローリング、カーペット、畳、クッションフロアなどを指します。

家具などはその床材の上に置くものなので、置いたために生じる凹みや置いていない箇所に生じる日焼けなどは通常の使用で発生する損耗となります。

電化製品、特に冷蔵庫やテレビは静電気が発生しやすく、設置面の背面にホコリなどを呼び寄せます。これも通常の使用によって生じる現象です。

洗面化粧台や洗濯機パン、浴室、キッチンにコーキングが敷設されている場合がありますが、劣化している場合は、家主や管理会社に通知し、改善してもらいましょう。

放置しておくと、水分が浸入し、劣化を速めてしまう事になります。

契約時に柱、壁面、天井面、建具などにキズがある場合にも、入居前に改善してもらいましょう。

入居中に家主や管理会社が変更される事があります。

退去時の事も考え、未然にトラブルを避ける努力はしておきましょう。

一方で、契約書に通常損耗や経年変化について入居者に原状回復義務を負わせる「特約」が記載されている場合もあります。

原状回復とは

国土交通省のガイドラインにおいて「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。

賃貸物件に関しては、原状回復は賃借人が借りた時の状態に戻す事を指します。

通常の使用による損耗や経年劣化は原状回復の範囲外となります。

故意・過失、善管注意義務違反による復旧は、原状回復義務を負う賃借人が行うものとなるので、契約内容によりますが、賃借人自ら業者を選択し、復旧させる事が可能です。

通常の使用による損耗や経年劣化については、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反に当たらないので賃料に含まれる。

つまり通常の使用による損耗や経年劣化については、賃貸人が考慮し、賃借人に責任を押し付けないようにする必要があるので、それを踏まえた上で契約せねばなりません。

例え故意でなくとも、賃借人が発生させた損耗・毀損に関しては、放置する事によって悪化させる可能性があります。

損耗・毀損は発生時に家主又は管理会社に通知。

例えば、トイレや洗面で所持物を落下させ、床材が破損。通知せず使用し続けた場合、範囲が広がる可能性があります。

水栓や換気扇など壊れたまま使用し続ける事は、善管注意義務違反となります。

水栓が壊れている事によって、周辺のものが傷む。

換気扇が壊れている事によって、湿気が籠り、カビが生えるなど、退去時のトラブルの原因となります。

改正民法621条 賃借人の原状回復義務

【改正民法621条】(賃借人の原状回復義務)賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年の変化を除く。

以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。

ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

ここで判断が難しいのが、経年劣化。

年数が経過する事によって、どのような損傷が出来るのかは一般的に判断が難しくなるので、入居前に入居者は細かい箇所まで物件を撮影し、保管しておく。

また、入居中に改修・改善が必要となった場合は、管理会社や家主に対してすべて細かく通知する事が重要。

退去時につまらない事で揉めないようにしておくべきと思われます。

明らかに経年劣化と異なるものは、タバコのヤニ、ペットの傷など。

また、故意に損傷を発生させた場合。

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雨水侵入の原状回復

壁や床の端が湿気を含んで傷んでるのはよくある事ですが、雨水侵入は怖いですね。

クロスが下の方から色が変わってて、めくれている状態で、めくるとカビだらけ。

ここまでは、ホント良くある事で、下地がコンクリートそのままの端っこの部屋だったり、湿気が籠りやすい場所だったり、結露が原因の事が多いです。

こちらの物件は、少し違っていました。

フロアは1階で、部屋がベランダよりも低いパターンです。

床材はクッションフロアだったので、とりあえず捲ってみます。

「クッションフロアの下は・・・フローリングに上貼りかぁ。」

フローリングも湿気で炭化してる状態で、L45フローリングを敷いているものの、水が浸入していて劣化が激しい状態です。

壁も傷みが激しく、GLボンドからほとんどの石膏ボードが剥がれている状態。

思ったのは、ベランダ側、部分的に木地が入ってるので、なにかやりかえたのかどうなのか。

とにかく、予算もあるので、床と壁は部分貼替にします。

雨水の侵入口は側溝部分とベランダ。

確認すると、床が損傷(画像は割れ過ぎてますが、ここまで割れてはいません。コンクリートのボードは割って撤去するつもりなので、かなり割った状態です。)ヒビが入ってました。

その下の防水層は見つからに水が浸入して、使い物にならなくなってたので、全部ケレンで削ぎ落し。

しばらく乾燥させて、今回はサラセーヌでウレタン防水しました。

内装は、何日か経過後に室内に雨水侵入が見られなかったのでまず石膏ボードで壁の復旧。

フローリングはウッドタイルで仕上げるので貼替無い部分は残し、中途半端に余ってた在庫のL45フローリングを貼った状態が前回の画像です。