改正民法 第601条 賃貸借

第601条賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。

戻る

改正民法 第7節 賃貸借

第1款 総則
第601条(賃貸借)
第602条(短期賃貸借)
第603条(短期賃貸借の更新)
第604条(賃貸借の存続期間)


第2款 賃貸借の効力
第605条(不動産賃貸借の対抗力)
第605条の2(不動産の賃貸人たる地位の移転)
第605条の3(合意による不動産の賃貸人たる地位の移転)
第605条の4(不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)
第606条(賃貸人による修繕等)
第607条(賃借人の意思に反する保存行為)
第607条の2(賃借人による修繕)
第608条(賃借人による費用の償還請求)
第609条(減収による賃料の減額請求)
第610条(減収による解除)
第611条(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)
第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
第613条(転貸の効果)
第614条(賃料の支払時期)
第615条(賃借人の通知義務)
第616条(賃借人による使用及び収益)
第616条の2(賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了)


第3款 賃貸借の終了
第617条(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)
第618条(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保)
第619条(賃貸借の更新の推定等)
第620条(賃貸借の解除の効力)
第621条(賃借人の原状回復義務)
第622条(使用貸借の規定の準用)


第4款 敷金
第622条の2

改正民法606条1項 賃貸人の修繕義務

1.賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。 ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。

2.賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。

賃貸物件は、通常の生活に支障をきたさない状態で賃貸する事が原則で、設備の不良などで修繕が必要になった際には直ちに修繕を行わねばなりません。

例えば、上階より配管の欠損などによる漏水が発生した場合、修繕を行わねばなりませんが、上階の賃借人は立ち入って修繕を行う事を拒むことが出来ません。

拒む場合は、賃貸契約が解除される可能性があります。

民法第415条(債務不履行による損害賠償)及び第541条(催告による解除)が関連しています。

戻る

改正民法615条 賃借人の通知義務

第 615 条 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃
借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。ただし、賃貸人が既にこ
れを知っているときは、この限りでない。

戻る

改正民法 第611条賃借物の一部滅失等による賃料の減額等

第 611 条 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることが できなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由 によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった 部分の割合に応じて、減額される。

要するに、賃借人に責任所在の無い設備不良などが発生した場合、家賃の減額に関して家主と入居者が協議出来る事になっています。

一般的な賃貸契約(現状有姿、現状渡しを除く)の場合では、賃貸人によって入居前修繕が行われた上で、市場相場での家賃で募集。入居中に修繕事項が発生する場合、基本的には賃貸人が実施する事となってますので、設備の不良などが発生した場合は、契約と異なるという考えになってしまいます。

なんでもかんでもというわけではなく、物件の老朽化により何かしら不具合が発生する可能性がある場合、家賃設定が市場相場よりも安くなっている事もあり、要するに「ちょっと古くていろいろあるかも知れないけど、頑張って維持はして行くので多少は我慢してね~」のような説明を行い入居者にも、それ相応の理解を得ている場合。

照明器具のランプ切れやワンルームでトイレの鍵の故障であったり、小さい事までは入居者も考慮していくべきで、いつ、どのように修繕するのかは明確に回答しておけばトラブルも回避出来る事もあるでしょう。

賃料減額を決定する時に考慮すべきこと。

トイレが壊れたとなると、通常の生活に支障を来たしますが、そうで無い場合、国交省のガイドラインの言葉を借りると、一部使用不能の程度が社会通念上の受忍限度を超えて、通常の居住ができなくなったときから修繕が完了するまでの期間が基準となるらしいです。

家賃を日割りで計算し、その日割りの金額に対して使用出来ない部分を部屋の何パーセントか設定し、減額金額を計算するような考え方になります。

・特に支障が無いとされる事例で賃貸人の修繕義務が発生していない事例 (実際の判例により事例)

温水洗浄便座の故障

シロアリの発生

エアコンの不調(動かないわけではない)

流し台からの異臭

虫の死骸による汚れの清掃

・賃貸人の修繕義務が発生した事例

天井及び壁からの雨漏り

高級マンションの工事中の騒音、雨漏り、カビ等

排水管の閉塞

トイレからの漏水及びカビの発生

戻る